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猫の回虫

消化管内の寄生虫のうち、回虫は最も一般的に知られている寄生虫です。

 症状
 
回虫は、動物の種類に特異的なものであり、例外もありますが基本的には、犬には犬回虫、猫には猫回虫がそれぞれの消化管に寄生します。

宿主
寄生虫が寄生をする生体のこと(犬、猫など)
固有宿主
回虫(寄生虫)にとって、成虫にまで成長できる宿主(犬、猫など)
非固有宿主
感染後孵化はしますが、回虫(寄生虫)にとって成虫にはなることができない宿主(人間など)
このように、回虫は最近話題となっているズーノーシス(人獣共通感染症)のひとつでもあるのです。

 椎間板ヘルニアと変形性脊椎症
 

(1)仔猫の場合:気管型移行

仔猫に摂取された回虫卵は腸内で孵化、腸壁に進入します。
その後、血流を介して肝臓へ、または、腸壁に穴をあけて、腹腔内から肝臓に達します。そして肝→心→肺→気管へと上行します。
さらに成長を続けながら食道、胃と消化管を下行し、小腸で成虫となるのです。感染から成虫となり、産卵するようになるまでのこの過程は約3週間かかります。
口から入った卵が孵化して腸で成虫になるのではなく体を一周して腸にたどり着き成虫になるというのがポイントです。
宿主の糞便と共に排出された虫卵には感染力がなく、外界で14日ほど発育して初めて、感染力を持ちます。
また、経口感染の他、母猫の胎盤を介した感染でも似たような経路をたどります。この場合の仔猫の症状は、消化管通過中の虫による吐気、下痢が主症状です。また発育不良、腹部の膨満、貧血などもみられます。
(2)成猫の場合:全身型移行
抵抗力のある成猫が虫卵を摂取した場合、子虫は腸内で孵化しますが、仔猫の場合と同様の経路で肺までは移動しますが、その後、気管へと上行せず、子虫のまま全身へと血流にのって拡散されます。そして一週間後には全身の臓器や筋肉の中で、被嚢幼虫と呼ばれる休眠状態となります。
このようなメス猫が妊娠した場合、妊娠6週目ごろから休眠していた被嚢幼虫が再び動きだし、胎盤を介して胎仔へ、そして生後も母乳を介して新生仔への感染源となります。
(3)人での感染
人(特に小児)への感染では、飼い犬、猫から、または犬猫が排便する公園の砂場や川岸、草叢にある虫卵を、何らかの形で経口摂取した場合に成立します。
回虫卵は腸内で孵化して、腸壁から侵入し血流へ入ります。その他、仔犬に口を舐められる際にも、気管や食道を移動中の子虫の感染をうけることもあります。
しかし、人は回虫にとって本来の宿主ではないため、肝臓、リンパ節、肺、脳、などあらゆる組織に入り込みます。これを幼虫の迷入といい、動き回る幼虫による病害を幼虫内臓移行症といいます。
この場合の症状は、発熱、腹部痛、倦怠感、脳に迷入した場合、痙攣やまれではありますが突然死の原因にもなります。その後、幼虫は宿主の免疫反応によって捕らえられ、肝臓を主をとした諸臓器で被嚢幼虫という休眠状態となります。

 予防策
 

(1)回虫が産卵に至るまでの生後3週間までに
   適切な駆虫を仔猫に行う。
(2)回虫卵が感染力を持つ前に糞便はすぐに処分する。
(3)仔猫に人の口を舐めさせない。


 治療法
 

各種駆虫薬がよく効きますが、体内移行中のものには効果のない薬もあります。
3週間隔で2回駆虫すれば間違いなく駆虫可能です。


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