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小鳥の鉛中毒

ケージから室内に出す時間が多いインコに多く発生し、命を脅かします。確定診断が難しいために、他の病気として診断・治療を受けている場合も多いと推測されます。

 
 原因
 
環境中の、鉛や亜鉛を含んだものをかじることで体内に取り込まれます。原因として多い物は、カーテンの重り、ガスレンジの五徳(鍋などを受け止める部分で、金属製の3本または4本脚のある輪の部品)、ハンダ、アクセサリー、ステンドグラスの継ぎ目の部分、塗料などです。

 
 症状
 
・突発的に元気がなくなる
・緑色便
・片足立ち、握力低下
・興奮、情緒不安定、けいれん

 
 診断
 
確定診断は血液中の鉛の濃度を調べることですが、現時点では困難です。レントゲン検査で体内の金属が見つかれば確定できますが、見つからないケースが多いです。その他、症状、飼育環境、血液検査から本疾患が推測される場合には、治療を開始します。

 
 治療
 
優れた効果のある解毒剤があります。その他、状態に合わせて輸液、痙攣をおさえる薬を投与します。

 
 予防
 
・鉛を含む物に鳥を近づけない。
・見ていない時には放鳥しない。
・拾い食いをさせない。
・台所では放鳥しない。

<松田祐二先生から最終回のメッセージ>


約4年半、小動物のコーナーを担当させていただきましたが、少しでも皆さんのお役にたてたのなら幸いです。

獣医師になって15年間、動物の生態、薬理学、最新の治療法を常に勉強してきたつもりですが、人間の知恵なんてちっぽけなもので、「命」という見えないけれども、とてつもなく大きなものに跳ね返されっぱなしの日々です。この大きな相手に、挑み続けてきたことが人類の歴史なのでないでしょうか。

そして、感じたことは、やはり、命に大きさの差や優先順位がないのではないかということです。

人間の都合ですべてが決まってしまって・・・人里に下りてくる熊は射殺されます。人がそこに住む前に、ずっと前から住んでいたのは熊の方です。そこに人間が後からやってきて、都合が悪いから駆除するということに疑問を感じる人の少なさには涙が出る思いです。「熊が危険。」ではなく、熊から見れば「人間が危険」なのです。子供を連れて、川に水遊びに行っただけで、殺されてしまいました。

蚤がついた愛犬には、何のためらいもなく駆除薬をつけてしまいます。寄生虫にだって、生活があり、繁殖する本能があるはずです。自分が蚤だったらどうでしょうか・・・せめて「蚤さん、ごめんなさい。」と思わず心で言ってしまうような罪悪感が少しでもあったなら、その人は救われるでしょう。

今や、人間こそが地球にとっての寄生虫であり害虫となっていることを、すべての人は忘れてはいけません。

「命」に価値の大小はありません。生きていることこそ、最大かつ唯一の喜びです。苦しいと感じられるのも、逃げ出したいと感じることができるのも生きているからこそです。今生きている生物はみな、地球の歴史上、たったひとつ〜一度だけの「生」です。

今燃えている自分の命を削って、消えそうな命の薪にできる、そんな人間に私はなりたい。

いままでどうもありがとうございました。 いままでどうもありがとうございました。
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