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犬のアレルギー性皮膚炎 その1

犬イラスト アレルギー性皮膚炎とは、動物が生体外にあるアレルゲン(ハウスダスト、花粉あるいは食物など)に反応することによって生じる皮膚炎のことを言います。 ここでは、アトピー性皮膚炎、食餌性アレルギーおよびアレルギー性接触性皮膚炎について述べたいと思います。

 アレルギー性皮膚炎の種類
 
(1)アトピー性皮膚炎
人の場合と同様に遺伝が関与していると考えられ、他の子より免疫反応が過剰に起こっている状態だと言えます。吸引性アレルギーとも言われ、ハウスダスト、花粉、ダニ、カビなどがアレルゲンとなり、これらを吸引することによって発症します。
症状としては、顔面、四肢、腹部などに強い痒みをおこし、ときに全身症状もでます。その強い痒みにより、自分で皮膚を引っかいてしまい、二次的に皮膚炎を起してしまいます。
(2)食餌性アレルギー性皮膚炎
アレルゲンとなりうる食物は多く、主にタンパク質が原因になることが多いようです。牛乳、卵、さまざまな肉類、穀類などが挙げられます。
症状としては、食餌を摂取した後から口の周りを痒がったりする局所的なものから全身に強い痒みを起すものまでさまざまです。ここでも二次的に皮膚炎を起してしまいます。
同時に外耳炎を起す場合もあります。また十数パーセントにおいて皮膚症状の他に下痢などの消化器症状も認められます。
(3)アレルギー性接触性皮膚炎
身の回りにあるあらゆるものがアレルゲンとなりうります。例えば、じゅうたん、毛布、食器(プラスチック、ステンレス製など)、首輪、シャンプーなどです。これらと接触することにより接触した部位に炎症が起こり、痒みが強くでてしまいます。例えば、じゅうたんがアレルゲンであればおもに腹部に痒みがでますし、食器がアレルゲンならば口に痒みがでます。

 アレルギー原因の特定方法
 
血液の検査で何に対して抗体があるのかが検査できます。しかし、測定される免疫グロブリンと皮膚表面でアレルギーを起こす免疫グロブリンのタイプが違う為に、血液検査の結果はあまり信頼できるとは言えません。
検査の項目が多い為に検査費用もかなり高額で万単位になってしまいます。
実際検査をすると、10項目ほどは強陽性反応が出ます。アレルギーの原因は複数にまたがっていることがほとんどです。
例えばハウスダストA、ハウスダストB、杉花粉、ブタ草花粉、松花粉、ヒノキ花粉、羊肉、牛肉、小麦、大豆、これらが強陽性だったとします。
花粉とハウスダストは除去することは困難なので、できることは食事を陽性反応が出ていない材料を使った物だけ与えるという事になります。

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 治療法1:食事療法
 
アレルギーの治療はアレルギーの原因の除去になります。食事療法の場合アレルギー専用食というものがあります。
アレルギー専用食というのは材料が違うというだけで薬がはいっているわけではありません。およそ普通の犬猫が食べないだろうという材料でできているのでアレルギーにはなり得ないという考えでできています。ですから専用食を食べながら人間のおかずをもらって食べたり、ジャーキーや煮干しを与えたりしていたのでは全く効果が見られません。
羊肉はアレルギーを起しにくいと思っている人も多いですが、羊肉のアレルギーはかなり多いというのも現実です。
現在市販されている低アレルギー食の材料はナマズ、七面鳥、アヒル、カンガルーなどの肉を使用して、また小麦、トウモロコシなどの穀類を使用しないものが多いです。鶏肉を使用しながらタンパク質を細かく砕き、アレルギーが出ない大きさまで分解して一切の食事性アレルギーは出ない…というフードも開発されています。
これらのアレルギー専用食を使う事で、痒みが半分位に減る事が多いです。

 治療法2:薬物療法
 
花粉やハウスダストなどは除去困難です。アレルギーの治療にはやはり薬物治療が主体になります。人では抗ヒスタミン剤がよく使用されますが、犬猫には抗ヒスタミン剤はほとんど効果が見られません。一口に抗ヒスタミン剤といっても種類がありますので6種類ほど試せばどれかは若干の効果が認められる事もありますが、やはり痒みを止めるまでには至りません。
アレルギーの薬の主役はステロイドと呼ばれる副腎皮質ホルモン薬です。『ステロイド=悪い薬』と勘違いしている人も多いですが、薬としては大変に優れています。悪いのは使い方を知らない医者の方です。通常の薬用量で維持することはせず、1/5から1/10程度の少ない量で維持していくステロイド療法ならば副作用の心配はほとんどありません。
アレルギーの薬物療法というのは今後一切アレルギーが出なくするというものではなく、投薬したときのみアレルギー反応が止まるというものです。痒みが酷くなったら薬で一旦抑えて、楽になったら休む。このくり返しです。何がなんでも痒みと炎症を抑えるのではなく、ちょっと赤くて痒みは若干あるけど、快適に過ごせてはいる…そのくらいのレベルを保てる薬の量で調整します。

 治療法3:減感作療法
 
簡単にいうとアレルギーの原因をゆっくり体に入れて最期には体に慣れさせてしまおうというものですが、かなりの時間と費用がかかります。
さらに成功率も5割くらいなようです。方法は、まず検査でアレルゲンを特定します。
特定できたアレルゲンをうすめて毎日注射を1−2ヶ月続けていきます。激しいアレルギー反応から死亡する場合もあるので通常あまり行われてはいません。

 アレルギーもやはり早期発見、早期治療
 
動物が痒がるというしぐさはよく見られ、その原因はアレルギー以外の場合もたくさん考えられます。そのため、飼い主の日々の観察がとても重要であり、これを獣医師に伝えることが原因の早期発見、早期治療につながります。アレルギー専用食以外にも何か与えていても「言われたとおり、一切与えてません」といいながら晩御飯のおかずちょっとあげていたなんて人が多いのです。こんなウソは治療の妨げになりますからほんの一粒ボーロー食べてもきちんと報告しましょう。ボーロー一粒でも充分に全身のアレルギーは発生しますし、一度食事でとったアレルゲンは1月ほど痒みをひきずることが多いです。
   
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