腫瘍と免疫(細胞性免疫)

アイリス暮らし便利ナビ
  1. アイリスペットドットコム
  2. 犬といっしょ
  3. 犬の病気
  4. 犬の病気(感染症・ワクチン・アレルギーについて)
  5. 腫瘍と免疫(細胞性免疫)

犬の病気(感染症・ワクチン・アレルギーなど)

腫瘍と免疫(細胞性免疫)

イラスト

体内の免疫システムは外部からの侵入者だけではなく、
体内にできてしまった異物細胞もやっつけることができます。
それが細胞性免疫です。
今回は細胞性免疫についてみていきましょう。

1.体内にできた異物をやっつけるしくみ

(1)見回り役が人相書きを作る
血液中には身体にとって異物(侵入者)がいないか常に見回りをしている細胞がいます。体内に異物ができると、この見回り役がまずはじめに異物細胞(例えば腫瘍)を食べます。食べた上で、「こんな腫瘍ができていやがった!」という情報を提示します。 この見回り役は白血球のひとつでマクロファージといいます。

(2)手配書を伝達係が配達する 
「腫瘍発見!食ったぞ!食ったぞ!犯人はこういうヤツ!」と見回り役(マクロファージ)は手配書を伝達係に渡します。伝達役の名前はヘルパーT細胞です。
伝達係は伝達先に指名手配書を渡しますが、配達先が2種類あります。

配達先その1‥‥「殺し屋」リンパ球グループ
配達先その2‥‥「合い鍵屋」Bリンパ球

イラスト

手配書には宛名ラベルが貼られており、「殺し屋」または「合い鍵屋」と書かれています。この宛名ラベル(宛先を決定するもの)はインターロイキンといいます。
こうして手配書を受け取った殺し屋グループは「ターゲットはコイツだ!」と出動するわけです。

※「合い鍵屋」Bリンパ球は「液性免疫」に関係します。
詳しくはの「ワクチンと免疫(液性免疫)」を参照してください。

イラスト

▲このページのトップへ

2.殺し屋(リンパ球グループ)のはたらき

殺し屋のリンパ球は何種類もあり、その代表はNK細胞と呼ばれます。
NKはナチュラルキラーの略で、生まれもっての殺し屋。外から侵入してきた細菌やウィルスだけではなく、体内にできた異物(腫瘍)までも殺してしまいます。

生体内では細胞の分裂が繰り返され、癌化した細胞が常にできているのですが、NK細胞が「この細胞は正常ではない」と判断すると殺してしまいます。NK細胞の働きがきちんと機能していれば、腫瘍の発生も抑えられるわけです。

ある説では、体内で日に1つくらい、腫瘍細胞(腫瘍のもとになる細胞)ができている・・・というものもあります。毎日1つずつ腫瘍ができたのではたまったものではありませんが、それでも平気なのはNK細胞のおかげなのかもしれませんね。
他の殺し屋としては下記のものが知られています。

キラーT細胞
CTL細胞 (細胞障害性T細胞)
LAK細胞 (リンフォカイン活性化キラー細胞)

イラスト

合鍵の形はある一定期間は記憶されていて、同じ侵入者が入ったとしても即鍵をばらまかれて死んでしまうので感染が成立することはありません。しかし合鍵屋も常にいろいろな鍵を作らなくてはいけないので、マスターキーの保存ができずに一定時間が過ぎると忘れてしまい、また同一犯の侵入を許すことになります。
この抗体という鍵を用いて外部からの侵入者を叩くシステムを液性免疫といいます。

▲このページのトップへ

3.腫瘍の反撃

腫瘍をやっつけるシステムが完全に整っていたら、犬は腫瘍にはならないんじゃないか?

腫瘍もいろいろ考えますからね。ただ殺されるのを待ってるだけではないんです。
腫瘍はまず、免疫抑制物質というものを大量に放出します。例えば見回り役のマクロファージに見つかりにくいような、バリアを貼るような物質。マクロファージに捕捉されなければ、手配書が伝達されることはありません。こっそりと成長を続け仲間を増やせるわけです。

イラスト

また手配書の宛先を(殺し屋か合い鍵屋か)決定するのは宛名ラベル(インターロイキン)ですが、腫瘍は自らこの宛名ラベルを作って、すべての伝達係に合い鍵屋に行くように指示し、殺し屋のところに手配書が届かないようにし向けています。

イラスト

▲このページのトップへ

4.腫瘍の治療法

これらの細胞性免疫のシステムを使って犬の腫瘍を治療しようという試みが始まっています。

<免疫システムを利用した腫瘍の治療法>
★ 薬や食品によって、殺し屋(リンパ球グループ)の数を増やす
★ 薬や食品によって、腫瘍が放出する免疫抑制物質を止めたり、手配書の配達先を決めるインターロイキンの出方を変化させて殺し屋の所に手配書が届くようにし向けたりする
★ 体外で殺し屋を培養してから再び体内に戻す

これらの治療には、キノコの仲間に使えるものが多くあります。薬品ではインターフェロンやアンサー(昔は丸山ワクチンと呼ばれていた)といったものもあります。

20年前までは「キノコで癌(悪性腫瘍の一種)が治ったら医者はいらない」とキノコの効能を信じない獣医師がほとんどでしたが、現在の獣医師の多くは、積極的に患者にキノコを勧めています。
それは細胞性免疫が腫瘍を破壊するというしくみが少し解明されたからです。
今後腫瘍治療のメインは抗癌剤などよりも免疫療法が主力になっていく可能性があります。

▲このページのトップへ

最後に…
今回は体の中にできた腫瘍をやつける免疫についてご紹介しました。
ワクチンと免疫(液性免疫)とあわせて確認してみてくださいね。

おすすめコンテンツ

▲このページのトップへ

≪犬の病気のトップへ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでペットどっとコムをフォロー

犬の動画投稿「いぬ動」
動画を投稿する
動画を観る
モニター
日本クロストラスト

当サイトは 日本クロストラスト(株) の認証を受けています。